レコーデリー

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レコードの魅力再発見

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<インタビュー>音元出版 浅田陽介さん<後編>

取材日:2016年1月21日 取材場所:音元出版オフィス

レコーデリーでは、Recordeli presents RECORD LOVERSとして、音楽好き、アナログ好きな方をインタビューして、「音楽の魅力」「レコードの魅力」「レコードの思い出」などを語ってもらいます。今回は、音元出版の浅田陽介さん。レコードとオーディオに関する深い話をぜひ楽しんでください。

世界中の珍しいレコードプレイヤーたち

Recordeli(以下 R): 珍しいレコードプレイヤーをご紹介いただけますでしょうか?

ノッティンガムというイギリスのブランドなのですが、最大の特徴はモーターのトルクが低すぎて、最初の回転を手で回す必要がある点です。笑
でも非常に音がいいです。一番安いモデルで348,000円ですが、本当に良いプレイヤーです。


http://www.analog-player.com/nottingham/


国産のメーカーですとTechDASというブランドが世界的にも注目されています。

【珍しいレコードプレイヤー】


●レコードプレーヤー
TechDAS/AirForce One/¥7,200,000(アームレス)
URL:http://stella-inc.com/10techdas/
いまの国産アナログプレーヤーの最高峰として、世界的にも注目されるモデル。
かつての国産レコードプレーヤーとして世界的な評価を受けたマイクロ精機のエンジニアによって立ち上げられたブランドです。
空気の力でボディ、プラッター等を浮遊させた状態として、最後にレコードをエアーで吸着させて反りのない状態を作り出す構造です。つまり、レコード再生にとって理想の状態とされる、物理的な者同士の接点は盤面とカートリッジの針先のみという状態をつくりだします。
最近、170万円〜180万円程度となるAir force Ⅲというモデルがでました。


●トーンアーム
Clearaudio/TT-3/¥498,000
URL:http://www.yoshinotrading.jp/product-details/tt3/
レコード再生は内周に行くに連れて、歪等が発生しやすいのですが、その理由の一つにアームのトラッキング・エラーの問題があります。理想では溝に対して垂直並行に針が溝をトレースするのが理想ですが、普通のトーンアームの場合は当然外周と内周の針の角度は異なります。
リニアトラッキングとは、常にこの理想の状態を造り出すために考え出されたアームです。

●トーンアーム
ViV Laboratory/Rigid Float/Ha/¥290,000〜¥330,000
こちらは、特にプレーヤー等に特別な加工をすることなく、高さを揃えてプレーヤーの横に置くタイプのトーンアームです。特徴は、普通は固定されているピポット(アームの回転の中心部分)を浮かせることで、メカニカルな接点をレコードの針先と盤面だけにするということを実現しています。開発者は世界的にも「天才」と言われています。

●デジタルフォノイコライザー
M2TECH/Joplin Mk2/¥220,000
レコードにはイコライザーカーブというのがあって一般的にはRIAAですが、現実問題としてはさまざまなタイプのカーブがあります。これらにアナログ回路で対応させようとすると、数百万円の機材になってしまうのですが、デジタル領域で補正をかけることで、価格をかなり抑えることに成功しています。また、デジタル機器ですので、別にDAコンバーターへ接続して使用するというのもユニークです。

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レコードプレイヤーはデジタルとの融合で進化してゆく!

R:TechnicsがSL1200の最新モデルを発表したりとアナログレコードの話題が多くなっていますが、今年どのようにオーディオは盛り上がっていきそうでしょうか?
 デジタルとの関係性も含めて、今後のトレンドを教えてください。

今年1月のCESや昨年のミュンヘンのハイエンドオーディオの展示会にも行ってきたのですが、アナログレコードのブームが来ていて、レコードプレイヤーの選択肢が増えています。TechnicsのSL1200復活の盛り上がりもあるので、今年さらに盛り上がってるでしょうね。


特にデジタルとの融合というのは、1つの大きなテーマだと思っています。
レコードは中古マーケットが大きいのでレコードの音源をいかに簡単にデジタル化して、スマートフォンでも聴くかといった事がオーディオのテーマになっています。
デジタル化するにも音の変換の仕方で音質が変わってくるので、いろいろな楽しみ方があります。USB端子付きのプレイヤーも増えていますし、SONYのようにハイレゾ音源に変換できるプレイヤーも出てきたり、フォノイコライザーもデジタル音源に変換して出力するタイプも出てきています。
レコードの音源をデジタル化して電車で聴いたり、家ではアナログで聴いたりといったスタイルが増えていくのではないかと思います。

またレコードは年代によってイコライザーカーブが違います。RIAAに統一されたのが1954年という事になっているのですが、実際は全然統一がされていなくて。。
全部のカーブを統一させるセットをアナログでやるには500万円ぐらいかかるのですが、デジタルだと20万円ぐらいでできます。
デジタルの技術を使えばアナログでは難しい事も簡単にできるようになってきているので、デジタルとアナログの欠点を補い合って行くことでオーディオは進化していくと思います。

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アナログレコードの魅力は”音楽を聴いている実感”

R:レコードやハイエンドオーディオの魅力とはずばり何でしょうか?

レコードの魅力は”音楽を聞いている実感”なのかなと思います。
現在はスマートフォンで簡単に音楽を聴く事ができますが、”音楽を聴いている実感”をあまり感じられないのかなと思います。
そういった意味でレコードは聴くときに音楽を聴いている実感が一番味わえるメディアだと思います。
ジャケットからレコードを出して、プレイヤーにセットし針を落として再生する。こういう作業をすべて目で見えるところでやって、音楽を聴くという体験は他のメディアではありません。

またアナログレコードは自分で手間をかけた分だけ音が変わり、愛着が湧いていくのも魅力のひとつかなと思います。
特にハイファイオーディオは、セット次第で、普段聴いている音楽が全然違う音で聞こえるので、新しい発見があるのも魅力ですね。

個人的にはNirvana以降、音楽シーンを変えたバンドはいない気がしていて、そのタイミングてちょうどデジタル音源が流行しはじめた時期と重なります。
デジタルになると曲単位で聞いてしまうので、アルバムを通したアーティストの世界観やメッセージが伝わりにくい。
音楽作品はアルバムを全部通して聴かないと評価できないという点があるのかなと思っていて、アナログにはそれがありますよね。

将来的な音楽シーンの発展のためにも、音楽の伝達手段としてアナログレコードはかかせないのではと思います。
アーティストがレコーディング時にデジタル音源をマスターテープで収録して、アナログをリリースするといった流れもでてきていますしね。


R:レコードで針を落として聴くというのが、おしゃれな雰囲気でかっこいいというのもありますしね?


そうですね。おしゃれでかっこいいという事は本当に大事だと思います。

デジタルは便利だけれども、最終的には「アナログってかっこいいよね」ていう。

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アナログレコードのリリースにもチャレンジ

R:最後に今後の音元出版さんや、浅田さんのご活動について教えていただけますでしょうか?

去年、音元出版からPITINNさんの50周年を記念したレコードをリリースしました。

『I Love...』辛島文雄

http://www.phileweb.com/news/audio/201512/22/16745.html


今後も年1回くらいで、よい音楽をアナログレコードだけでリリースできたらいいなと思っています。

またより若い方向けに、気軽にアナログレコードを楽しめるイベントも実施したり、
ハイファイオーディオやレコードプレイヤーを紹介するWEBサイトも強化していきたいと思っています。


R:アナログレコードやオーディオに対しての理解が深まりました!
 本日はありがとうございました。

インタビューの最後に音元出版さんにセッティングされたオーディオセットで、実際にレコードを視聴させていただきました。
この日のセットは、総額650万円ほどのセットです。

MCカートリッジとMMカートリッジで音域の違いを体験するために、浅田さんに聴かせていただいたのが

PharaoSandersのRejoice



針を落とした瞬間、、、、

「いつもの音と全然違う!!」

高音の音域が広く、クリアな音が響きます。
オーディオの違いで全く音が違ってくることを体感しました。

レコーデリースタッフも少しづつ自宅のオーディオセットを強化していきたいと強く思いました。


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取材協力

音元出版

PhileWeb
http://www.phileweb.com/editor/